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コースは知多半島にある。
試し打ちの結果は上々で、両名共に左右のブレがなく、打球の距離も30ヤードほども伸びたと思えた。当然両名ともご機嫌が良い。
昼食時にビールの小瓶を一本づつ飲んで、更に機嫌の良くなった東山が、イン10番のティから、キャディが「もう少し待ってください」と制止するのを
「もういいだろう、そんなには飛ばんよ」
と打ったショットが気持ちよく伸びて、フェアウエイ中央に飛び、そのままランも伸びて、前を行く4人組の歩む前までも転がっていった。
これは「打ち込み」といって、ゴルファーとしては、厳に戒めねばならぬマナー違反である。
青くなった頭取に代わり、常村が走り、精密機械メーカーの田村専務も走って、前の組に追いつき、平謝りに謝った。
相手の紳士の中の一人が、謝る二人を無視し、遅れてくる東山が頭を下げるのに、ニコヤカに
応じて右手の平を大きく開き示した。
東山も後の3人も、紳士が了解の合図をしたものと思い安堵したのだったが・・・
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ところでヤツはどうしてんだろう。
小沢はまたも中原信介に逢いたくなった。
中原と話していると、実業の世界に身を
置いたことの無い小沢までが、妙にビジネス
社会にのめりこみそうになるのである。
そこで感じる独特の高揚感は、なんとも
いえない快感でもある。
小沢はここからサン・モリッツに向うつもり
である。
ホテルの予約は取っていないが、初夏の
このシーズンはスキーリゾートのサン・モリッツ
は、むしろオフシーズンだから、クエレンホッフ
の紹介で、最高級のホテルがとれる筈である。
小沢は名刺入れの中にある、中原のものを
取り出して電話をかけた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(下) 』より・・・・・・・
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