
コースは知多半島にある。
試し打ちの結果は上々で、両名共に左右
のブレがなく、打球の距離も30ヤードほど
も伸びたと思えた。当然両名ともご機嫌が
良い。
昼食時にビールの小瓶を一本づつ飲んで、
更に機嫌の良くなった東山が、イン10番の
ティから、キャディが「もう少し待ってください」
と制止するのを
「もういいだろう、そんなには飛ばんよ」
と打ったショットが気持ちよく伸びて、フェア
ウエイ中央に飛び、そのままランも伸びて、
前を行く4人組の歩む前までも転がっていった。
これは「打ち込み」といって、ゴルファーとして
は、厳に戒めねばならぬマナー違反である。
青くなった頭取に代わり、常村が走り、精密
機械メーカーの田村専務も走って、前の組に
追いつき、平謝りに謝った。
相手の紳士の中の一人が、謝る二人を無視し、
遅れてくる東山が頭を下げるのに、ニコヤカに
応じて右手の平を大きく開き示した。
東山も後の3人も、紳士が了解の合図をした
ものと思い安堵したのだったが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(上) 』より・・・・・・・
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