小林真一の作品を読むブログ きらめく星座社★

こんにちは。 神戸から生まれた出版社、『きらめく星座社』です。 私たちが送りだす、小林真一・著の作品を、少しずつご紹介していきます。

【 炎の商社マン 】

炎(上)


コースは知多半島にある。

試し打ちの結果は上々で、両名共に左右
のブレがなく、打球の距離も30ヤードほど
も伸びたと思えた。当然両名ともご機嫌が
良い。

昼食時にビールの小瓶を一本づつ飲んで、
更に機嫌の良くなった東山が、イン10番の
ティから、キャディが「もう少し待ってください」
と制止するのを

「もういいだろう、そんなには飛ばんよ」

と打ったショットが気持ちよく伸びて、フェア
ウエイ中央に飛び、そのままランも伸びて、
前を行く4人組の歩む前までも転がっていった。

これは「打ち込み」といって、ゴルファーとして
は、厳に戒めねばならぬマナー違反である。
青くなった頭取に代わり、常村が走り、精密
機械メーカーの田村専務も走って、前の組に
追いつき、平謝りに謝った。

相手の紳士の中の一人が、謝る二人を無視し、
遅れてくる東山が頭を下げるのに、ニコヤカに
応じて右手の平を大きく開き示した。

東山も後の3人も、紳士が了解の合図をした
ものと思い安堵したのだったが・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(上) 』より・・・・・・・




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【 炎の商社マン 】

炎(下)

ところでヤツはどうしてんだろう。

小沢はまたも中原信介に逢いたくなった。
中原と話していると、実業の世界に身を
置いたことの無い小沢までが、妙にビジネス
社会にのめりこみそうになるのである。

そこで感じる独特の高揚感は、なんとも
いえない快感でもある。

小沢はここからサン・モリッツに向うつもり
である。
ホテルの予約は取っていないが、初夏の
このシーズンはスキーリゾートのサン・モリッツ
は、むしろオフシーズンだから、クエレンホッフ
の紹介で、最高級のホテルがとれる筈である。
小沢は名刺入れの中にある、中原のものを
取り出して電話をかけた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(下) 』より・・・・・・・


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