
「これは山川がつるんでるな」
と石田が言う。
「キミとの共同出資も、最初から取り込み詐欺
のつもりだったんだろうな。こんな筋書きは
沖原には出来すぎだ。
裏で操ったのは山川幸助だろう。手形屋に
入れた担保は、ありゃ沖原本人の物じゃない。
奥さんの実家がやっていたメリヤス工場の後
を宅地にして、沖原のために実家の親父さん
が建てた家だ。
たぶん奥さんも知らんうちに沖原が持ち出し
たんだろう。あいつも罪なことするなぁ〜」
しばらく経って、山川から電話があった。
「山川さん? どちらの?」
「おい、ええ加減にせえよ、そないに大勢の
山川と付き合いあるんか」
と凄む。
「なんや高槻の不良か、沖原どこに匿うてん
のや」
「何を、お前誰に向かってモノ言うとんねん」
「だから高槻のワルによ。今から府警本部に
連絡取って、お前んとこ家捜しさせたろか」
牧山が府警本部の警視正と付き合いがある
ことを山川は思い出したようだった。
「パスポート返したれや」
「それ見ろ、お前が黒幕だってこと、
今認めたな」
電話が切れた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・『 はぐれ狼が奔る 』 手痛い出資金詐欺に より・・・
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