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小林真一の作品を拾い読み きらめく星座社★ 2008年04月

小林真一の作品を拾い読み きらめく星座社★

こんにちは。 神戸から生まれた出版社、『きらめく星座社』です。 私たちが送りだす、小林真一・著の作品を、少しずつご紹介していきます。

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【 『炎の商社マン』 上巻より 】

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン』 上巻より・・・・・・


「欧州繊維部長としてのオレが何も知らされていなくて、一兵卒のお前が、いろいろと並べてる。組織がたるんでいる証拠じゃないか」

「よくそんなことが言えますね。組織のタガをゆるませて平然と5年も無駄飯食ってた人に、バカらしくて本社も連絡なんか取る気が無いでしょう。貴方はご自分が意志決定者だと思ってられるようですが、決定はすべて本社ベースで行われます。それから、えらく興奮して居られるようですが、早くもキミからお前に格下げですか。会社なんだから、キミと呼ぶぐらいの落ち着きを保って欲しいもんですな」

「お前なんか、お前で充分だ。キミなんてガラか」

「だんだんホンネが出てきたようですな。稼ぎも無い欧州繊維部長なんて、ただの現場見回りみたいなもんで、誰も司令官なんて思っちゃいませんよ。せいぜい自覚して本社の信頼を取り戻す努力を
なさることです」

「オレが司令官じゃない? そんなら何か? 貴様が新任の司令官だとでも言うのか!」

「ほう、今度は貴様ですか。そんなに頭に血を上らせなくても話は出来るはずですけどね。血圧いくつあるんです」

「貴様、オレに喧嘩売る気か」

「困ったお人だな、聞きしにまさるオッサンやねぇ」  


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン』 上巻より・・・・・・

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【アルプスの小川】

 アルプス


その日は休日だった。
Tクンが「カルチェラタン」に
行きましょうかと言った。暴動がまだ
続いていて、もう直ぐにも警官隊と
学生たちとが衝突する時間帯と
なるらしい。
行ってみて驚いた。敷石道の石が
全部はがされている。
学生たちの武器、投石材料として
用意されていたのです。
学生たちのシュプレヒコールは

「ド・ゴール、フランコ、サラザール!」

というものだった。
第二次大戦を戦い抜いた英雄たちだが、
六八年ともなると、最早頑迷な老害と
されていたわけで、巻き添えを食った
フランコ将軍も、サラザール博士も、
さぞかし不本意なことだったろう。
スケジュールでも決まってんだろうか。
Tクンの予言通り警官隊が集まって来た。
その数がどんどん増えて・・・・



・・・・・・・・・『 アルプスの小川 』 四十年の時空を行ったり来たり より

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【 『 はぐれ狼が奔る 』 癒しのエンジェル より 】

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・・・・・・・・・・・・『 はぐれ狼が奔る 』 癒しのエンジェル より・・・


バーテンが

「あちらのお客様からです」

と小声で囁く。
ブラ水を目の前に上げ、一口啜る前に女性の方を見やる。女性はニッコリしながら自分のグラスを
取り上げ、乾杯の合図を寄越す。

綺麗な女性だ。娼婦には見えない。

メモを読む。「ご一緒しません」と書かれてあった。女性の方を見ると、メモを読んだと知って、再度乾杯の合図を寄越した。

長尾からさんざんオンナ学を叩きこまれた後だ。

牧山も普通の牧山じゃなくなっている。
ブラ水のグラスを持ち、席を移す。
女性の隣にだ。

(おいおい、春彦。今夜はやけに大胆じゃないか)



・・・・・・・・・・・・『 はぐれ狼が奔る 』 癒しのエンジェル より・・・

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【 『炎の商社マン』 下巻より 】

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(下) 』より・・・・・・・


黒服がワインはどうしますかと聞く。

「専務は、赤白に拘る方ですか。魚介だから白とか」

「いや、そんなこだわりを持つほどのワイン通じゃない。
せっかくだから東ヨーロッパのワインがあれば、
思い出になるな」

中原が黒服に訊ねたら「雄牛の血」の名で知られる
ハンガリーの銘酒があった。

武田がOKしたから、それをオーダーする。
エグリ・レイカベルはハンガリー人が誇りとする
歴史的事実に基づく名前である。オスマントルコに
東南欧が席捲されたとき、ハンガリーの勇士たちが
孤城に籠もり、激戦の末に遂に城を守り抜いたという
歴史である。
勇士たちを称えるべく「雄牛の血」という名が与えられ、
その名がそのまま銘酒の名前とされている。
日本人が聞いたら、ちょっと気持が悪い名だが、
オーストリアでもドイツでも、エグリ・レイカベルは名高い。

食事をすませ、心身ともに疲れたからと武田が部屋に
引き取るのを見送り、中原は寝るにはまだ早いし、
バーカウンターに移ってブランディをロックでと注文。

ちょうど武田と入れ替わるように二人連れが
食卓に着いたが、バーカウンターに座り背を
向けている中原は気づかなかった。


二人連れは誰あろう、アリババと小沢吾郎だった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(下) 』より・・・・・・・
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【 『 アルプスの小川 』 セルビア人と酒を飲んだら日本人壊滅 より 】

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・・・・・・『 アルプスの小川 』 セルビア人と酒を飲んだら日本人壊滅 より・・


そんなある日のこと。午後四時に
打ち合わせが終了し、先方からの提案があった。
「この近くにドナウを見下ろす古城を改装したレストランがある。そこへご招待したいがご都合はいかが」
実は我々は朝から何も食べていなくて腹ペコだった。
打ち合わせは現地工場で九時から行われる。ベオグラードのホテルを七時四十分には出発しなければ。
ところがホテルの朝食は八時からしか始まらない。
てな訳で全員朝飯抜きで出発している。
工場で出るものは、トルコ風の濃いコーヒーと水だけ。
昼食も摂らず午後四時まで延々とやるのがユーゴの流儀。
そんな時の「ご接待」のプロポーサル。
日本連合から喝采があがった。
レストランまでは近かった。なるほど良い眺めである。だけど内部の食卓の上の方が、もっと眺めが魅力的だった。
真っ白なテーブルクロス。銀色のナイフやフォーク。四重奏団がクラシック曲を奏ではじめた。
「さあ、食える」日本連合メンバー十数名は判っていなかった。
部屋の片隅で、食前酒のセレモニーが始まった。
「今回の国際入札で、貴国に素晴らしく近代的な製鉄所が生まれることを祝して乾杯」とボク。
「今回の国際入札に日本連合が勝利することを祈って乾杯」
ここまでは良い。あとがイケナイ。
カンパイの理由はいくらでも有るし、無くなったら作れば良い。
ユーゴ人たちは腹ペコではなく、コニャックと称する地場産のブランデーを、より沢山飲みたいから、
何回も乾杯を繰り返したいのだ。
気がつくと、すでに数名の日本軍兵士が倒れている。
顔色を窺うと「もう限界です。早く何か食べさせて」と皆が訴えている。
だけど、「郷に入れば郷に従う」しかないじゃないか。


・・・・・・『 アルプスの小川 』 セルビア人と酒を飲んだら日本人壊滅 より・・



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【 『 はぐれ狼が奔る 』 動物園のライオン より 】

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・・・・・・・・・・・・・・・・・『 はぐれ狼が奔る 』 動物園のライオン より・・・

丸大が囁く。

「ここの客、皆偉い人たちばかりのようですね」

牧山は声をひそめたりしない。

「ああ、そうだな。ライオンばかりだな」

「やはりライオンですか」
と丸大はあくまで小声。

「ライオンたって、動物園のライオンだ。
腹が減ったら園丁がエサを持って来る。
それが当たり前と思っている。そのうち年齢がいって毛並みが悪くなったら、元のサバンナに戻されても、手前でエサなんか取れん、哀れなライオンだよ。キミはまあ野良犬だな。オレだって野良犬だ。
手前のエサぐらいどうとでもする誇り高き野良犬だ」

揚げたての天麩羅が次々と差し出されるのを食べながら、つと横を見たら、なんと丸大のやつは、折角の揚げたてに箸をつけようともせず、俯いて漬物でご飯を食べていた。

流石に小声となり、

「お前、何やってんだ、天麩羅は揚げたてを食べるのが、職人さんに対する礼儀だぞ」

丸大はやっと、恐る恐る天麩羅に箸を運んだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・『 はぐれ狼が奔る 』 動物園のライオン より・・・


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【 『炎の商社マン』 上巻 より 】

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン 』 上巻 より・・・・・・


東繊は中原信介にとって、小学校3年生の幼いときからの憧れの職場で「ボクは将来必ずあの会社に」と心に決めた会社であった。

父の仕事の関係から大連に生まれ、奉天から新京へと転校した信介が偶然手にした一冊の「黒革の手帳」。それは「東繊手帳」として世に知られた分厚いもので毎年のお歳暮に関係先に配られるものだった。

新京の同じ隣組仲間に戸川という二年生が居り、兵隊ごっこで信介の当番兵を務めており、上官である信介に貢物として進呈されたものが「東繊手帳」だったのである。
戸川の父が東繊の新京支店長(後に専務)で、何冊かを家に持ち帰った中からの一冊が信介の手元にきたことになる。

革の匂いと独特の手触り、2センチはある分厚い中味。そして何よりも幼い信介の心を捉えたのが、見開きに掲げられた大阪高麗橋の本社ビルの威容を写した写真であった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『 炎の商社マン(上) 』より・・・・・・

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